福井県鯖江市

めがねのまち・福井県鯖江市。漆器や繊維などの地場産業も根付く、ものづくりの盛んなまちです。

また、多様なプロジェクトが生まれていることも特徴のひとつ。女子高生がまちづくりに取り組む「鯖江市役所JK課」や、「市長になりませんか?」のキャッチコピーで全国から大学生が集う「地域活性化プランコンテストなど、市民が中心にまちに新しい景色を生み出そうとしています。

暮らしに関係性が生まれる仕組みをつくる

そんな福井県鯖江市でどこでも移住コーディネーターをつとめるのが森一貴さんです。森さん自身も、三年前に鯖江市が実施した体験移住プログラム「ゆるい移住」で鯖江市にやってきた移住者の一人。

森さんは、実は鯖江に移住する気なんてさらさらなかったんですよ、と笑います。

いまも一番困るのが「なんでこのまちに住むことを決めたんですか?」という質問。三年経ちますが、僕はまだ、このまちに永住するなんて一言も言ってない。笑 でも、移住ってこんな風に起きるのかもなって。永住しよう!なんて気持ちは全然必要なくて、暮らしていたら関係性がうまれて、気づいたらなんとなくそこにいる。それが移住になっちゃうんじゃないかなと思うんです。

2015年に実施された「ゆるい移住」は、半年間の間家賃無料、いつでも来ていいし、いつでも帰っていいという実験的な移住プログラムです。はじまった当初は誰一人鯖江に移住する気はなかったといいますが、参加した17名のうち6名が移住。家族を呼び寄せた人や、福井の人と結婚する人まで出てきました。

このゆるい移住の経験が、どこでも移住につながった、と森さんはいいます。

移住のハードルって、高いなと思ったんですよ。移住したい人はたくさんいても、試してダメだったときにやめられる環境が整っていない。ここを変えてあげるだけで、移住はもっと滑らかにできると思ったんです。

山の麓にたつ家

どこでも移住で住むことになるのは、鯖江市のものづくりの産地・河和田地区のそばにある一軒家。既にシェアハウスとして運営されており、ここに入居することになります。

少し歩けば、見渡す限りの田んぼ。夕日が落ちるころ、ゆっくりと車を走らせるのが好きなんです、と森さんはいいます。

鯖江のやる文化

鯖江に永住する気はないという森さんですが、鯖江からは、ふたつの大事なものを受け取ったといいます。

そのうちのひとつが、はたらくということについての価値観。森さんは、ここでは「生きると働く」の距離が近いことに気づいたといいます。個人経営の職人が多いために、副業は当たり前。また、夏休みになれば子連れで会議をすることもあるそう。森さんは、生きると働くが溶け合った生活を新鮮に感じたといいます。

そしてもうひとつ森さんを変えたのが、鯖江の「やる文化」。職人さんたちは、何でも自分で作ってしまうのだといいます。

例えば近年オープンした鯖江市河和田地区にある共創のプラットフォーム「PARK」は、移住者の職人が中心となってDIYをすすめた施設。机や椅子はもちろん、階段やキッチンカウンターなど、あらゆるものがDIYで作られていくさまを目の当たりにして、森さんは自分が何も「やってこなかった」ことに気づきました。

職人だけじゃなくて、周りのみんなが、自分で作っているんですよ。机や椅子はもちろん、会社をつくる、イベントをつくる、カフェをつくる、プロダクトをつくる…。
東京では頭ばかり使っていて、「作る」なんて、考えたこともなかった。でもこのまちでは、誰もが自分で生み出している。みんな合言葉のように言うんです。「ないならつくればいい」、「やればいいじゃん」、「できるかできないかじゃない、やるかやらないかなんだ」。

こうした人々に囲まれて、森さんは初めて、「あ、自分でもやっていいんだ」と気づいたといいます。

鯖江に移住して三年。机や椅子は未だに作れなくても、学習塾を始めたり、移住事業を立ち上げたりと、森さんは森さんなりの「やる文化」を実践し始めています。鯖江はそんな、やる文化のあるまち。

最近福井に訪れた友人が、ふと帰り際に言ったことが心に残っているんです。「福井の人は、生きているね」。 このまちの人々は、自分の足で立っている、と思います。誰のせいにすることもなく、自分で選び、自分で歩きだす人たち。その空気に触れて、僕も一歩踏み出してみようと思えた。僕にとって、ここはそんなまちなんです。

移住に関する要項

実施主体 鯖江市地域おこし協力隊
年齢等の制限 なし
体験移住の条件 なし
体験移住日数の制限 なし(但し、希望人数が多い場合は2ヶ月を目処に日数を制限する可能性があります。)
移住の際、何日前までの連絡が必要か 1日前までにご連絡ください。但し、不在の可能性もあります。

居住環境

居住形態 シェアハウス
最大居住人数 〜6名程度(居住者の合意による)
家具・備品の状況 -
設備 -
ネット環境 有(※私用のポケットWi-Fiを共有する形式)
プライバシー 鍵のかからない個室あり
家具以外の費用負担 水道光熱費を実費負担予定
その他、留意事項 車必要、虫多め、近隣にスーパーあり
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