長島県壱岐市

どこでも移住・壱岐市コーディネーターは、福岡で100年先の暮らしを実験するコミュニティ「Qross」の設立に携わった坂田賢治さん。坂田さんは、この9月から壱岐市と福岡市での二拠点居住を始めたばかりです。

なぜ二拠点居住なのか、そして、なぜ長崎県壱岐市を選んだのか。坂田さんに直接お話を伺ってみました。

坂田さんは福岡市出身。京都・大阪で建築を学び、27歳のとき、独自の視点で物件を紹介する「福岡R不動産」への就職を機に、地元福岡市にUターンしました。入社後、福岡県内20の自治体と移住促進プログラム「トライアルステイ」や那珂川町の空き家バンク「SUMITSUKE那珂川」の企画・運営に取り組んできた坂田さん。2016年に仕事を通じて出会ったのが、日本海に浮かぶ人口約3万人の島・壱岐島でした。仕事で通うなかで、坂田さんは徐々に島にのめりこんでいったといいます。

翌年、坂田さんは「福岡R不動産」を退社。約1年間の無職期間で、坂田さんは知人の「本拠地巡り」を敢行しました。そのなかで、地方に「外の人」として関わるのでなく、どこかに「本拠地」を構えたいという思いが増すようになったそうです。

そこで候補になったのが、長崎県壱岐市。壱岐島は福岡から高速船で1時間で、簡単に行き来できる距離感が魅力でした。

「今日、なにをしようか」を考え生きる人々

壱岐島はそんな身近な場所ながら、田舎らしさのあふれる場所。美味しい食べ物や自然が揃っています。また、大陸と日本の貿易拠点だったことから、長い歴史があることも壱岐の特徴です。 島には1,000以上の神社が存在しており、紀元前から続くという男嶽神社の宮司は、78代目にもなるといいます。

そんな壱岐市で、坂田さん最も惹かれているのが、「壱岐市で暮らす人々」。 ゲストハウスのオーナー夫婦が、釣りのセミプロと海女さんだったり、伝統的な神社の宮司が、サーファーだったりする。毎日釣りにでかけては、釣れた魚を料理にする。波がよければサーフィンに出かけ、波がない日はシーカヤックに興じる。

壱岐の人々は、その場その場で「今日なにをしようか」と考え、遊ぶことを大事にしている。その生き方をみて、坂田さんは「こんな生き方があるんだ」と新鮮に感じたといいます。

都市部で仕事をしていると、論理的に考えることが多くなってしまう。一方で壱岐の人々と一緒にいると、感じる部分が研ぎ澄まされてモノの見え方が変わり、論理的な思考にも活かされていく。 どちらかだけに偏るのではなく、都市で「考える」ことが多くなるのを、壱岐市に行って「感じる」ことで、バランスをとっているような気がするかな。

「経済合理性ですべてが動く」ことに飽きた、と坂田さんはいいます。 壱岐市は、経済合理性の面から見れば未完成な部分がたくさんあります。ただ、その部分を経済合理性だけで進めていくとうまくいかない。そこには経済合理性だけで語れない部分がたくさんあり、それが坂田さんにとっては、逆にワクワクするのだといいます。

壱岐で、ともに暮らしをつくる。

壱岐島にある坂田さんの拠点は、壱岐市出身の友達が持っていたという店舗付き4LDKの家。どこでも移住では、この物件をシェアして住むことになります。

拠点としている家は、住めることは住めるが「快適ではない」といいます。古いおばあちゃんの家のようで、現在も少しずつ改修中。今回参加してくださった方とも「むしろ、一緒につくっていきたい」と坂田さんは話します。

もちろん、島での暮らしには、気をつけるべきこともたくさんあります。例えば、なんでも情報は筒抜け。何か悪いことをしてしまえば、島の人みんなの噂になってしまいます。慎重に事をすすめないといけないことも多いし、自分中心だけで突っ走ることは難しい。島での暮らしでは、自分の行動がどう見られているのか考えることが、大切なリテラシーのひとつだと坂田さんは言います。

壱岐は日本海の島。これからの季節、雪は降らなくても曇天の日が多く、風も強く、寒い日が多いそう。イオンもあり、誰もがイメージするような「島」のイメージとは違うかもしれません。 ただ、尖った部分はなくても、壱岐島には魅力も余白もたくさんあります。一人ひとりの感じ方で、壱岐島を楽しんでみてください。

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