沖縄県国頭村

那覇空港から車で約2時間。琉球文化が色濃く残る亜熱帯の自然に囲まれた「やんばる」と呼ばれるエリアに位置するのが、どこでも移住の参加市町村のひとつ「沖縄県国頭村(くにがみそん)」です。

国頭村は、沖縄本島の北部、広い一帯を占める人口約5,000人の村。沖縄のなかでも特に自然豊かなエリアで、石灰岩が侵食されてできた「大石林山」を楽しめるほか、タイミングが合えばヤンバルクイナにも出会うことができるといいます。

村が好きな人が、幸せに暮らせるまちを目指して。

そんな自然溢れる国頭村でどこでも移住のコーディネータを務めるのは、合同会社QLCO(クロコ)代表の久保勇人さんです。国頭村の中心である「辺土名(へんとな)」と呼ばれる地域で「HENTONA LOUNGE」というコワーケーションスペースを運営しています。

久保さんが国頭村へ移住してきたのは、約5年前。国頭村は久保さんのパートナーのご実家だったのですが、当時は村の読み方もわからない状態だったといいます。

移住のきっかけは、ご結婚の挨拶で国頭村に訪れたことでした。

義理の弟に会ったら、「勇人さん、明日から毎日海に行けるよ!」って言うんです。当時彼は軍の保養所で仕事をしていたんですが、その仕事がなくなってしまったというんですね。 でも、彼は国頭村が大好きな好青年なんです。そんな彼のような、国頭村で生活し続けたいと思っている人の仕事がなくなってしまう。それを目の当たりにして、自分でも何かできるんじゃないかと思ったんです。

そこで久保さんは、国頭村で出会った人々がシェアした情報を集約するfacebookページ「Yumbaru - やんばる」を2013年に立ち上げました。

同時に、大企業で働いていた久保さんは、仕事で社内調整に奔走し、なかなか前に進められない現状に違和感を覚えたといいます。

自分がこの先20年この会社で働き続けたとして、生活のお金は困らないし、そこそこいい暮らしもできる。国頭村に来れば、うまくいくかは分からないし、お金にも苦労するはず。 でも、そのなかで1人でも2人でも、国頭村が好きな人が国頭村で生活できるようになるお手伝いができたとしたら、20年後に振り返った時に、どっちが幸せな人生だったと思えるかな、と考えていたんですよね。

そんななか、久保さんに転機が訪れます。国頭村役場の人とつながり、商店街にある空き物件の良い使い方を提案してほしいと誘われたのです。

久保さんの提案は地方創生加速化交付金を獲得し、そして生まれたのが「HENTONA LOUNGE」でした。

久保さんは現在、HENTONA LOUNGEを運営しながら、ワークショップなど地域に人が訪れる仕掛けや、地元の人と外側の人とが交流できる仕組みづくりに取り組んでいます。

どこでも移住の舞台・CAMP HENTONA

どこでも移住の舞台は、そのHENTONA LOUNGEの真上「CAMP HENTONA」。建物の2F・3Fを貸し切って、最大2週間住むことができます。

ここは、国頭村の体験移住施設として運営されている施設。気持ち良いカウンターキッチンと小綺麗なリビングを備えた3LDKは、参加市町村のなかで唯一の一棟貸しで、家族など複数人で体験移住するにはぴったりの環境です。

1Fにはコワーケーションスペース・HENTONA LOUNGEが。コーヒーやフローズンマンゴーなどを楽しめるほか、ネット環境も整っています。今回の移住条件には、HENTONA LOUNGEで滞在期間の半分以上、通常の仕事をしていただくこと、という条件があります。(※料金1,200円/人日)

どこでも移住が開催される国頭村の辺土名は、人口1,600人ちょっとの小さな小さな地域。しかし役場や郵便局、スーパーやスナック街まで備えた、国頭村の中心市街地です。久保さんによれば、この地域は、やんばる三村(国頭村・大宜味村・東村)を東京に例えると「銀座」です、と笑顔で話します。

その「銀座のど真ん中」に位置するのがどこでも移住の舞台・HENTONA LOUNGE。国頭村には最大2週間体験移住することが可能で、今回は村内小中学校への留学もできます。こちらも、ぜひ検討してみてください。(※送り出す学校との対応も必要なため、事前相談が必須です。)

文化のつづく村

国頭村には、大石林山や茅打ちバンタなど、目を奪われる景色が随所に残っています。

それでも、国頭村の一番の良さは「文化」なのだ、と久保さんはいいます。

例えば、小学校の入学祝いでは、各おうちの庭に運動会テントをたて、ヒージャー(ヤギ)汁やヒージャー刺しなどのおもてなし料理を時間をかけて準備して、地域の皆さんをおもてなしするんです。それで村の人も「ああ、今週は入学式なんだ。◯◯ちゃんと◯◯ちゃんが入学するんだなあ」って言いながら、ご祝儀を渡してそれぞれの家を回るんです。 この村にはそういう、地域のみんなで子どもを育てる文化や、みんなでお祝いごとをするような文化が残っているんですよ。

他にも、沖縄の民謡で盆踊りを踊ったり、「提灯おおらせ」という提灯を戦わせるお祭りがあったり、毎晩みんなで集まって縄を手作りする「大綱引き」があったり。国頭村には、昔から受け継がれてきた文化が、いまも随所に残っていると久保さんはいいます。

こうした自然や文化の残る国頭村ですが、人の少ない村ならではの保守的な側面も、もちろんあります。また、仕事も「選ばなければある」程度。だからこそ、と久保さんはいいます。

何もないから、それがチャンスに見える人、それを楽しめる人に来てほしい。この村の人は、なんでも自分たちでやっちゃうんですよ。マイ草刈り機を持っていて、集落での草刈りでは、おじいたちがみんな自慢げにマイ草刈り機をもって集まってくる。そういう「自分たちでつくっていく」ことを楽しめる人に来てほしいと思っています。
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